不動産を売却する際には、様々な諸費用がかかります。不動産売却にかかる費用は人によって異なるのですが、はじめて不動産を売却する際にはどのくらいの諸費用がかかるのかわからない人も多いと思います。そこでこのページでは、不動産売却の際にかかる費用について紹介していきます。
目次
1、仲介手数料
まず、不動産売却の際にかかる費用として「仲介手数料」があります。これはあなたの物件を購入した買主と売買契約が成立すると、売主のあなたが不動産会社へ支払う費用のことです。「物件を売ってくれてありがとう」という意味も込めての費用になります。
仲介手数料の上限はあるの?
仲介手数料は不動産会社によって異なりますが、上限額は定められています。以下の表を参考にして下さい。
売却価格 | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下 | 売却価格の5% |
200万円~400万万円以下 | 売却価格の4%+2万円 |
400万円以上 | 売却価格の3%+6万円 |
仮にもあなたの物件が1,000万円で売却された場合、仲介手数料の上限額は、1,000万円×3%+6万円になりますので、36万円になります。
2、売買契約書の印紙税
続いて、あなたの物件が正式に売買された際の売買契約書の印紙税です。印紙税は売却価格に応じて納めなければなりません。印紙税の額は以下の通りです。
また、平成26年4月1日~平成30年3月31日までに売買契約書を交わした場合は軽減税率が適用されますので一度確認をしておきましょう。
売却価格 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円~50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円~100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円~500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円~1000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
1000万円~5000万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
5000万円~1億万円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
1億円~5億万円以下 | 100,000円 | 60,000円 |
5億円~10億万円以下 | 200,000円 | 160,000円 |
10億円~50億万円以下 | 400,000円 | 320,000円 |
50億円以上 | 600,000円 | 480,000円 |
3、不動産譲渡所得税
続いて、「不動産譲渡所得税」というものがあります。不動産譲渡所得税は、土地や建物を譲渡したときに、譲渡所得税という特別な所得税を納めなければいけません。譲渡所得税の税額の計算方法は、不動産譲渡所得×(所得税率×住民税率)になります。それでは、詳しくみていきましょう。
不動産譲渡所得税=売却価格−(取得費+諸経費)
※取得費は、不動産を取得するためにかかった費用のこと、例えば、購入代金、購買時の仲介手数料などです。
※諸経費は、不動産を売買するためにかかった費用のこと。例えば、売却時の仲介手数料、登録免許税などです。
さらに、所得税率や住民税は以下のようになります。
不動産所有期間 | 所得税率 | 住民税率 | 合計税率 |
---|---|---|---|
5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
5年以上 | 15.315% | 5% | 20.315% |
不動産譲渡所得税の計算例
売却価格:4,000万円
売却時の仲介手数料:150万円
購入代金:3,000万円
購買時の仲介手数料:50万円
不動産所有期間:5年以上
上記の条件で不動産を売却した場合の不動産譲渡所得は、4,000万円−(3,000万円+50万円+150万円)=800万円になります。また今回の事例では、不動産を5年以上にわたり保有していたので、税率は20.315%となります。つまり、800万円×20.315%=185万2,000円になります。
4、リフォーム・クリーニング費用
売却する物件次第では、リフォームやハウスクリーニングが必要になることもあると思います。ただし、築年数も少なく、そこまで汚れていない場合などはハウスクリーニングに依頼する必要はありません。自分達で出来る範囲であれば自分たちで掃除をするようにしましょう。なぜなら、ハウスクリーニングをしたからといって、高く売れるというわけではないからです。しかし、内覧会や見学会でその物件が綺麗な状態の方が、購入されやすいのは事実です。特に、水回りであるキッチンや浴室、トイレなどはできる限り、綺麗な状態にしておくことをおすすめします。
5、土地境界確定測量費用
不動産の中でも土地を売却する場合は、「土地境界確定測量費用」という諸費用がかかる場合もあります。この「土地境界確定測量」の目的は、土地の面積や境界線、権利関係を明確にすることです。土地の情報は登記簿謄本で確認することができますが、謄本の情報は古く、現在の状況とは異なる場合が多くあります。そういった際に、土地の取引で、隣接する土地の所有者との境界をめぐるトラブルも多いため、それらを回避する目的もあります。
測量にかかる費用の相場
売買契約に用いることができる測量の費用は以下のとおりです。
官民査定省略の現況測量費用 | 官民立ち合いの確定測量費用 |
---|---|
35万円~45万円 | 60万円~80万円 |
なお、上記の費用は一般的な100㎡以下の土地を想定している金額になります。土地の広さや地形、隣接する土地の権利に関わる人の数などによって、測量費用はことなります。
6、住宅ローンに伴う費用
売却をする不動産に抵当権が設定されていて、まだローン返済が終了していない場合は抵当抹消登記費用というものがかかります。これには、登録を抹消するために「登録免許税」と「司法書士の書類作成依頼」に対する費用が含まれます。「抵当権」とは、債務不履行時(返済を怠った場合)に債務者(借主)の資産(不動産)を差し押さえることができる権利のことを言います。
この抵当権を解除するために、抵当権抹消手続きを行うのですが、その際に登録免許税を納める必要があります。免許税は、不動産一つにあたり、1,000円となりますが、建物や土地は別に計上されるので、合計2,000円の免許税を支払うのが一般的です。
登記手数料=司法書士報酬+登録免許税+実費
抵当権抹消手続きは、法務局で行いますが手続きを司法書士に依頼する人も少なくありません。その場合、司法書士にかかる費用は8,000円から12,000円が相場です。
その他、事前調査・事後謄本・書類送料などの料金が加算される場合があります。また住所や氏名の変更があった場合は、変更証明書を取得する必要がありますので、これらのことも頭のどこかに入れておくとよいでしょう。
7、引越し費用
もしもあなたが売却する不動産が、現在住んでいる住居用の不動産を売却する場合は、転居するための引越しをする必要があります。引越し費用の相場はおよそ10万円を目安にしておきましょう。
\ 不動産売却の諸費用を安くする方法 /
不動産売却にかかる費用はある程度理解できましたでしょうか?案外様々な費用がかかりますよね。しかも、不動産売却の手数料はほとんどの場合、安くすることは難しいが現状です。なぜなら不動産売却の仲介手数料は、不動産会社にとって唯一の収入源、しかも売却が成立しなければ仲介手数料は発生しません。そこで、「手数料を安くする」という考え方ではなく、「不動産をできる限り高く売る」という考え方の方が得をします。
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