不動産売却の基礎知識

不動産売却の「買取」と「仲介」では何が違うの?

家やマンションなどの不動産を売却する方法には、「買取」と「仲介」の2種類の売却方法があります。一般的に広く認知されているのは「仲介」という売却方法ですが、中には「買取」という売却方法を選択される方も増えています。

そこでこちらのページでは、

  1. 不動産売却の「買取」と「仲介」では何が違うのか?
  2. 「買取」と「仲介」それぞれのメリット・デメリット

以上の2点について詳しく解説していきます。

不動産売却の「買取」と「仲介」では何が違うのか?

家やマンションなどの不動産を売却する方法には、「買取」と「仲介」の2種類の売却方法があるわけですが、どのような点に違いがあるのでしょうか。下記は、「買取」と「仲介」それぞれの違いを一覧にした表になります。

買取 仲介
買主 不動産会社 個人
売却期間 約1ヵ月程度 約3~6ヵ月程度
仲介手数料 なし あり
瑕疵担保責任 なし あり
内覧会 なし あり
売却価格 仲介より安い 買取より高い
売却計画 立てやすい 立てにくい

ご覧いただいたように「買取」とは、不動産会社が直接、物件を買い取る売却方法となり、「仲介」とは、不動産会社に買主を探してもらい物件を売却する方法となります。上記のことを踏まえた上で、「買取」「仲介」それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

「買取」のメリット・デメリットは?

「買取」とは、不動産会社が物件を直接買い取ってくれる売却方法になるため、「とにかく早く確実に売りたい」と考えている方に向いています。しかし、買取という売却方法にもデメリットが存在します。それぞれどのようなメリット・デメリットがあるから詳しくみていきましょう。

「買取」を選ぶメリット

「買取」を選ぶメリットとしては、主に下記の6つのことがあります。

(1)売却までの期間が短くて済む
(2)内覧会を行う必要がない
(3)瑕疵担保責任がない
(4)仲介手数料がいらない
(5)誰にも知られず売却できる
(6)売却計画が立てやすい

(1)買取は、売却までの期間が短くて済む!

買取の場合、不動産会社が直接物件を買い取ってくれるため、価格の折り合いさえつけば、すぐに物件を売却することができます。仲介の場合、売却にかかる期間は平均で3ヵ月~4ヵ月程度と言われていますが、買取の場合だと、約1ヵ月程度で売却することができます。もちろん、価格の折り合いがすぐにつけば、1週間や場合によっては数日で売却することも十分に可能です。

(2)買取は、内覧会を行う必要がない!

一般的に、仲介で不動産を売却する場合は、チラシやホームページなどを見て物件に興味を示してくれた方々に対して、内覧会を行い、物件の説明などを行わなくてはなりません。また、現在住んでいる住宅やマンションの場合は、内覧会の度に、部屋を片付けたり、立ち会いのための時間を確保しなければなりません。
しかし、買取の場合は、不動産会社が直接買い取るかどうかの判断を行うだけため、不動産会社の人だけに物件を見せるだけで済むことになります。つまり、一般の方を自宅に招く必要がないため、精神的な負担も回避できるメリットがあります。

(3)買取は、瑕疵担保責任がない!

「瑕疵担保責任がない」というのも買取のメリットの一つです。通常、個人が不動産を、一般の方に売却する場合、売却後に何か欠陥があった際には、売主が責任を負わなければなりません。しかし、買取の場合は、買主が不動産会社となるため、瑕疵担保責任を負う必要はないということになります。

(4)買取は、仲介手数料がいらない!

「仲介手数料がいらない」というのも買取の大きなメリットです。仲介の場合は、売却金額に応じて、売主を紹介してくれた不動産会社に仲介手数料を支払わなければなりません。例えば、仮にも不動産が2000万円で売れたとすると、約72万円の仲介手数料を支払う必要が出てきます。しかし、不動産会社が直接買い取る「買取」の場合は、この仲介手数料がいらなくなります。これは買取における大きなメリットですよね。

(5)買取は、誰でにも知られず売却できる!

不動産を売却したいと考える人の中には、様々な事情を抱えておられる場合があります。例えば、離婚。離婚を機に家やマンションを売却する方も少なくありません。そうした場合に、仲介の場合だと、広告やホームページなどで情報が世の中に発信されるため、近所の方などにはその情報がわかってしまう場合もあります。しかし、買取の場合は、広告など宣伝をする必要がないため、誰でも知られずに物件を売却できるというメリットがあります。

(6)買取は、売却計画が立てやすい!

いつ売却できるか不透明な仲介に比べ、買取の場合は、定期的に1ヵ月程度で売却できることが多いため、売却後の引越しの計画や資金計画がたてやすいというメリットもあります。もちろん、仲介でも2~3ヵ月程度で買主が決まり、すぐに売却できる場合はありますが、買取に比べると確実性が低いため、売り出しをしてみないとわかりません。転勤に伴う引越しなど、スケジュールありきで不動産を売却しなかればならない場合は買取の方が確実であるということですね。

このように、不動産を買取で売却する場合は、時間的な面、あるいは精神的な面、金銭的な面など、それぞれにたくさんのメリットがあることをお分かりいただけたと思います。

「買取」におけるデメリット

上記の「買取」のメリットを知ると、「仲介」よりも「買取」の方がいいなと思われた方も多いと思います。しかし、「買取」にも一つだけ、とても重要なデメリットがあります。

それは、売却価格が安くなってしまうことです。
物件にもよりますが、一般的には相場の2~3割程度は安い価格になってしまうことが多いです。しかし、それでも「とにかく早く売りたい」「売らなければならない」といった事情を抱えている方のために、買取の売却する際の大切なポイントをご紹介します。

買取で少しでも早く高く売るためのポイント

買取で少しでも早く高く売るためのポイントは、複数の不動産会社に一括で無料査定ができる「一括査定サービス」を活用することです。そしてその中で、買取価格が最も高かった不動産会社に買取ってもらうことです。この方法が損をすることなく、最も高い金額で早く買い取ってくれる方法です。

買取価格は不動産会社によって大きく異なるからです。不動産の買取価格は、不動産会社の評価基準によって簡単に数百円もの金額が変わってきます。特に、一社の不動産会社のみに買取査定を依頼するタイプの人は、損をする可能性が非常に高いです。なぜなら、不動産会社としてはお客様の「早く売りたい」という心理状況をみながら、少しでも安い価格で買取価格を提示してくるからです。

しかし、事前に複数の不動産会社に買取査定を行うことで、ある程度、売却した不動産の買取価格を把握することができますよね。もちろん、複数の不動産に買取査定を行った中で、最も高く買い取ってくれる不動産会社を選ぶのも一つですし、どうしても特定の不動産会社で売却をしたい場合は、他社の買取価格を参考に交渉することだって可能です。
しかも、「一括査定サービス」を活用すれば、ほんの数分程度で、複数の不動産会社からの査定を受けることができます。つまり、時間的・金銭的な面を考えても、「一括査定サービス」を使わない手はないということですね。

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どのサービスも無料で査定を行うことができるため、売却した不動産がどれくらいの価格で買い取ってくれるのか試してみるのもおすすめします。「とにかく、早く少しでも高く売りたい」と考えている方にはおすすめです。

「仲介」のメリット・デメリットは

一方、「仲介」を選ぶメリット・デメリットは、先ほどご紹介した買取の逆のことになります。詳しくみていきましょう。

「仲介」を選ぶメリット

「仲介」を選ぶメリットとしては、「買取」に比べ、不動産を高く売れる可能性が高いという点です。一般的に、相場価格で売ることができるため、例えば、現在住んでいる家やマンションを売る場合は、次の新居の購入資金に十分に充てることができます。場合によっては、売却費用で新居の購入資金すべてまかなえることもあるため、少しでも高く売りたいと考えている方は、仲介が向いているということですね。

「仲介」を選ぶデメリット

一方、「仲介」を選ぶデメリットとしては、主に次の6つのことがあります。

(1)売却契約が立てづらい
(2)内覧会を行う必要がある
(3)瑕疵担保責任がある
(4)仲介手数料がかかる
(5)周りに知られてしまう
(6)売却期間が長くなる

(1)売却計画が立てづらい

不動産会社が直接買い取る「買取」の場合、平均で約1ヵ月程度で売却できますが、個人へ売る「仲介」では、平均で3~6ヵ月程度にかかり、場合によっては1年経っても買主が見つからないことも可能性としてはあります。つまり、事前に「いついつまでに売りたい」といった事情がある場合、必ずしもその通りに買主が見つかるとは限らず、売却計画が立てずらい点が仲介のデメリットでもあります。

(2)内覧会を行う必要がある

仲介の場合、買主が個人になるため、物件を内覧会を行わなければなりません。特に、今住んでいる自宅を売却する場合は、内覧会のたびに、部屋を掃除したり、あるいは、時間を調整して立ち会わなくてはなりませんので、精神的なストレスを感じてしまう場合もあります。

(3)瑕疵担保責任がある

個人が個人へ不動産を売却する場合は、売却後1年以内に、なにかしらの欠陥があったとき、瑕疵担保責任を問われることがあります。実際には、売買契約の中で1ヵ月~3ヵ月程度にはなりますが、瑕疵担保責任があることは仲介のデメリットです。

(4)仲介手数料がかかる

仲介の場合は、買主を見つけてもらった不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。一般的に仲介手数料は、「売買価格の3%+6万円+消費税」が必要になります。仮にも3,000万円で売れたとすると、96万円+消費税がかかるということですね。

(5)周りに知られてしまう。

仲介の場合は、不動産会社が買主を探すために、広告やチラシなどを活用して、物件情報を広く告知していきます。そのため、あまり売却のことを周りの人に知られたくない方にとっては、デメリットとなります。もちろん、必ずしも周りの人の目に触れるかどうかはわかりませんが、その可能性は十分にあるということです。

(6)売却期間が長くなる。

そして最後は、売却期間が長くなるという点です。もちろん、仲介であっても買主がすぐに見つかり、金額の折り合いも問題なければ、1ヵ月程度で売却できることもあります。しかし、いくら買主があらわれても、その人がすぐに購入を決めてくれるかどうかはわかりません。買取に比べると、どうしても売却までにかかる期間が長くなってしまうことも、仲介を選ぶデメリットの一つです。

仲介で不動産を高く売る2つのポイント

ここまでの説明の中で、お分かりいただけたと思いますが、不動産を少しでも高く売りたい場合は「仲介」を。とにかく早く売りたい場合は「買取」が向いているということです。
それでは、仲介で不動産を少しでも高く売る2つのポイントについてご紹介します。

1.複数の不動産会社を比較しよう。

不動産を仲介で少しでも高く売るための一つ目のポイントは、複数の不動産会社の中からきちんと比較をするということです。その理由は、不動産会社によって査定金額が大きく異なるということもありますが、仲介を依頼した不動産会社とは、売却が成立するまで、様々なやり取りを行う必要があります。その際、親切丁寧に対応してくれる不動産会社であるか、あるいは担当者の雰囲気や対応はどうかなどをきちんと比較検討しておかなければ、後々連絡が遅いなどのストレスになることもあるからです。

そのため、まずは「一括査定サービス」を活用して、複数の不動産会社より査定金額を出してもらい、その中から気になる不動産会社を面会し、そこからどの不動産会社に仲介を依頼するかを決めていくことで、後々後悔する可能性は低くなります。

2.最適な媒介契約を選ぶこと

不動産会社に仲介を依頼する際には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類の契約内容の中から一つを選ばなければなりません。それぞれにメリット・デメリットがあるため、各契約内容の違いや特徴を知った上で、自分のケースではどの契約内容がいいのかをきちんと見極めて契約するようにしましょう。

仲介で、不動産を少しでも高く売りたいと考えている方は、この2つのポイントがとても重要になります。

「買取」「仲介」の違いについてのまとめ

このページでは、不動産を売却する際の「買取」と「仲介」の違いについて、また、それぞれのメリット・デメリットについて解説してきました。「とにかく早く不動産を売却したい」と考えている方は、「買取」が向いています。一方、「時間をかけてでも不動産を高く売りたい」と考えている方は、「仲介」が向いています。

不動産を売却するご自身の事情を踏まえながら、今後の参考にしてみてくださいね。

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